いぬと暮らす

4匹の犬と暮らす人の日記。

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見た☆映画『この世界の片隅に』

口コミで噂が広がり、ロングランヒットということで、話はよく聞いていたので行ってみました。
漫画も未読で、「ほんわか日常ものの第二次世界大戦広島のお話し」みたいな前知識のみで乗り込んで行きました!

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感想

広島県民ほどではないにしろ、何が起こったかっていう話は日本人なら皆知ってるじゃないですか。
だからまぁあーなってこうなってどうなるっていう大体の大筋の流れを知っている上で見るので、予想を大きく裏切る展開とかそういうのはもちろん無いです。
「やっぱり」「こうなる」上で、その時代を生きたひとりの女性を通した、彼女に関わるいくつかの家族や人々の日常を切り取った映画です。

終戦後、高度成長期を終えて生まれた我々にとって「戦争」って未知の世界だし、パラレルワールド的に見ている部分もあると思うんです。
実際に体験したわけではないから、映画や小説、そういった創作物であったり、写真や体験談などを通して垣間見るものであったり、でも決して身近ではないんですよね。
でも実際その時代に生まれて生きてきた人々がいる。
その生活を私達はドラマティックなものに考えがちだけど、彼らにとっては「日常」であって、それ以上でもそれ以下でもないんだなーっと。

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「これはどのへんが泣ける話なの?これは当時の本当に普通の話だよ?あんたたちはやっぱり平和すぎてわかんないかねえ」
このご婦人の言葉通りなんだろうなと思いました。
それでも、容易に命を奪われる「戦争」の真っ只中にいるだけに、誰も彼もが否応無く「命」と向き合わされる。
こんな状況に置かれたら気が狂ってしまうんじゃないだろうかと思うんだけど、それはやっぱり平和すぎてわかんないからなのかもしれない。
戦況が傾き、すずの家族も巻き込まれていき、原子爆弾の投下。
ふわふわと笑ったり、色々考えながら見てたりしていたのが、最後のほうはもう無になってましたね。いろんな気持ちが渦巻いて、言語化できない。
私達と変わらない、一般市民の、一つの生活。
映画が終わってフロアの明かりがついて、言葉をつむぐわけじゃなく、自然と拍手をしたくなる、そういう映画でした。

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で、帰りに本屋によって原作コミック探して見つからずにKindleで買いました。
映画見てとても良いと感じたなら、原作探して購入したほうが良いですよー!!!
映画は原作内のひとつの要素を完全に抜いた形で製作されていますので、映画とリンクして「あれはこういうことだったのか」みたいな楽しみ方がじっくりと出来ます!

「この世界の片隅に」ならではの楽しみ方

ジャンルとしては戦争映画であり、日常映画なんでしょう。
新しい切り口で描かれているとはいえ、「良い映画だった」「心に落ちた」、それがじわじわと広がって劇場を増やし、公開期間を延ばし、この映画のどのあたりがそこまでさせているのでしょうか?

個人の見解なんですけど、「また見てもいい」と思える素敵な映画です。
が、それ以上に、この映画って何度でも違う楽しみ方ができる、そういう映画なのだと考えたりします。

  • 話の捉え方が違ってくる
    先述したとおり、映画版は原作漫画内の一つの要素をすっぱり抜いて製作されています。
    とはいえ、まるで無くすわけではなくて、ほんの少し残した上で、製作されているので、すずの心情や言葉の意味について何も知らない状態で見る回と、原作を読んだ上で見る回とでは解釈が違ってきたりします。
    原作漫画読むと自然に「あ、もう一回観たいな」って思えてしまうんですよね…。
    あとは繰り返し見ることでも色んな解釈が生まれてくる、そういう性質を持っている映画でもあると思うんですけど、それを色んな人のレビュー読んだ後でじっくりと見ると、これまた違うイメージが浮かんでくるっていう、噛めば噛むほど美味しくなる、そんな映画なのかと思っています。

  • 片渕須直監督の細かすぎるこだわり
    コレは大きいと思います。片渕監督がすごいっていう話なんですけど、出てくる町並みであったり、風景であったり、話を追う上でさーっと流し見るあれこれについて「実在」したものを丁寧に作りこんだ映像であるということ。
    主人公が通る大通りの町並みの中にいる人が、「実際にいた○○さん」。
    そんな話を知ってしまったら見てしまうじゃないですか。
    うわー!このひとかー!!!
    うわー!このシーンかー!!!!
    掘り出して知ったあれやこれやを映画館でまた確認して、「これが…」となる、この街の隅々にまでいろんな人の人生が広がっている。
    すずに焦点をあててストーリーは作られているけれど、本当に、この世界の色んな片隅に、とある誰かのストーリーが存在することを実感する。
    あと広島県民なら理解できるものとかもあるらしく、いや本当に凄い作りこみ方だなあと感服します。

すごい映画です。
…というわけで、ネタバレを気にせず、私が映画を観覧したあとに読んでわくわくした関連リンクをつらつらと並べておきます。
ほんっとに面白い~~~~!!!!
また観に行きたいなーっと思うんだけど、まぁ映画館でなくてはならない理由はそんなにないかなあ。
私はどちらかというと家で観たいので、円盤になるのも今から楽しみです!
(日常と空襲時のギャップとか、一度映画館で観ると良いとも思いますけども!)

私の読んだ関連リンク

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映画『この世界の片隅に』描かなかったことの大切さ(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

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